■ 開発の背景と意図
アメリカの9.11事件以降,国際的なテロの脅威が世界的に高まっており,空港・港湾などの水際では,手荷物や衣服等の検査が厳重に行われています。セキュリティーゲートの金属探知器は,ナイフなど金属類は検知できますが,液体や薬品,化粧品などは検知不可能で,液体爆弾などの危険物を,未然に発見できるセキュリティー機器の開発が期待されていました。そこで,衣服の下に隠した不審物でも,非接触で検知でき,リアルタイムで画面に表示する,ミリ波パッシブ撮像装置の開発に着手しました。
■ ミリ波パッシブ撮像装置の概要
ミリ波帯の熱雑音は,人体や物体など熱のあるものから常時放射されています。特に,温度を持つ人体から放射されている熱雑音は,物体の熱雑音より強く,本装置はその強弱により,人や物などの外形を画像化するものです。また,ミリ波は布や紙などを透過しやすいため,表面温度だけを画像化する赤外線カメラとは違い,衣類に隠し持った物体(不審物)を検知できます。
基本的にはカメラと同じ原理で,
1.人や物から出ているミリ波(77GHz帯熱雑音)を,ミリ波光学系レンズで集める
2.集束したミリ波の電波を,イメージング素子アレーで増幅し信号を抽出する
3.抽出した信号を画像処理部で,画面に表示する
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